精進湖の概要 「富士五湖の一角」

 精進湖(しょうじこ)は、山梨県南都留郡富士河口湖町にある湖。湖名は、富士山に初めて登頂した修行僧が登山前に湖で身を清めたことが、その名の所以とも言われています。精進湖の周辺には、富士北麓に位置する5つの湖「富士五湖」が点在しており、中でも精進湖は最も歴史の深い湖の一つとして知られています。

 また精進湖の居住地域は古来より甲府と東海道を結ぶ主要道路「中道往還(現在の国道139号線沿い)」の主要中継地として栄えており、富士山・湖といった自然資源のみならず、富士山信仰の地、そして歴史・文化の深い地域としても知られています。

精進湖 及び 精進湖周辺地図


精進湖の歴史(明治末〜昭和初め) 東洋のスイス 「Japan Shoji」

 明治28年(1895)、日本に帰化した英国人スチュワート・ホイットウォーズ(星野芳春)が富士山を最も美しく眺められる地を求めて、1年がかりで富士山麓を巡り、ようやくたどり着いたのかが精進湖でした。

この風景に魅せられたホイットウォーズはここを永住の地と決め、「精進湖ホテル」を建設。同ホテルは国内における富裕層・外国人が宿泊するクラシックホテルの一つとして認知されていきました。その後、ホイットウォーズによる海外への情報発信の結果、明治末から大正、昭和にかけて精進湖は日本有数の避暑地「ジャパン・ショージ」として、多くの外国人観光客が訪れるようになりました。

中でも特に有名であったのが富士山眺望のスポットとして活用されたパノラマ台と呼ばれる頂でした。皇太子時代に英国を訪問した昭和天皇が英国人から精進湖について問われた、というエピソードがあるほどです。

当時の観光は馬、もしくは2〜4人でかつぐ「チェア」と呼ばれる籠でパノラマ台を目指しました。 片道1時間ほどの行程の先にあるのは、富士山の絶景。この地が「東洋のスイス」とまで呼ばれるようになった所以でもあります。

現在、富士山世界文化遺産登録を目指している地でもあります。

  ※  写真はすべて旧上九一色村史提供

精進湖の歴史(昭和〜平成)「人口流出・高齢化」

  ※  写真はすべて旧上九一色村史提供

 明治末から昭和初めにかけて確立されたブランドは、第二次世界大戦の混乱、その後の大衆観光の勃興で失われていきました。昭和中期においてはバスを通じた大型観光が増大し、同地は大いに繁栄しました。

しかし、昭和中期から後期に移り、河口湖、山中湖、さらに立地条件の良いその他の大衆観光地の勃興により競争環境が激化。昭和後期から平成にかけては徐々に大衆観光地としての位置づけも揺らぎ始めました。

そして現在、集落からの社会的な人口流出、及び集落の高齢化が進行した結果、人口減少、それに伴う空き家の急激な増加が始まっており集落では危機感を強めています。

現在の状態1 現在の状態2 修復困難な古民家


特に精進湖の中心地区である居村地区では空き家が多くなっています。

     

精進湖活性化協議会の試み

 人口減少・空き家増加による影響を重くみた精進湖住民、事業者、行政は2007年度に空き家の利活用による活性化を目的とした 精進湖活性化協議会を発足させました。 2008年度より、国土交通省による支援プログラム「新たな公」からの支援を受けて本格的にプロジェクトをスタートさせました。

2007年 地域住民・事業者・行政 による協議機関 精進湖活性化協議会を結成


2008年 初旬 国土交通省の支援枠組み 「新たな公」 からの支援決定


 協議会は主に、住民、住民兼事業者により構成されメンバー数は20名。行政スタッフはサポートを行っています。会合は基本的に毎月1回の全体会合、及びメンバーを「食」「歴史・人文」「自然」の部会に分けての部会協議を適宜行っています。

2008年度の試みでは、①空き家の利活用方法 ②精進湖を取り巻くコンセプトの設定 についての検討会を行いました。

この結果、同地域の黄金時代である「The Shoji」の復興をコンセプトとして定め、改修する空き家のコンセプト(ハード)、また各種体験プログラム(ソフト)にも適用させることを決定しました。

協議会での様子 協議会メンバー

2009年 中旬 国土交通省の支援「超長期住宅先導的モデル事業」からの支援で空き屋改修


 2009年度前半では、ハード整備として20件ある空き家からコンセプトに適合する2件(築200年を超える古民家「渡邊邸」大正から昭和にかけて営業していた駄菓子屋「小林商店」)を選抜し、簡易改修を行いました。

渡邊邸改修前 改修後 外観と内部
小林商店改修前 改修後 外観と内部

 2009年度後半では「渡邊邸」「小林商店」を移住交流を目的とした体験交流施設として活用し、体験モニターを受け入れ、来年度より本格的な事業をスタートさせました。

また、ソフトとして「The Shoji」のコンセプトを適確に伝えるための体験プログラムを各部会が準備しました。食のプログラムとしては、空き家に設置された囲炉裏を使った体験料理プログラム「季節の精進湖炉端焼き」また自然、人文の部会からは、「The Shoji」を代表するスポットを体験できるフットパスプログラムを整備し、精進湖のファン層拡大を目指します。

また、精進湖、富士河口湖町全域への二地域居住、定住者の拡大へも積極的に取り組んでいます。

炉端焼き フットパス

フットパスコース図は精進湖畔の「精進湖観光協会」「ヤマザキYショップ」「レストランことぶき」で一部100円で販売しています。