書籍:ゆるしのレッスン

ゆるしのレッスン

著者名 ジェラルド・ジャンポルスキー
出版社名 サンマーク出版
定 価 1,500円+税
出版年月日 2000年5月15日

本書は、『ゆるすということ』に続く、ゆるしシリーズの第2作です。“ゆるし”という考えを探求していくと、人間としての限界にぶつかり、神聖な存在との対話を迫られることになります。著者のジャンポルスキー氏は、「読者の皆さんへ」の中で次の様に書いています。

ゆるすということは、自由への近道であり、神に近づく方法でもあります。ところが、これまでの人生の歩みを振り返ると、私は神への近道を見つけるどころか、心ならずも道に迷っては遠回りしてきたように感じます。

現代は科学万能の社会です。あったというべきかもしれません。科学が文明を築き、便利な生活をもたらし、ひいては幸せをもたらしてくれると、私なども信じていた時代があります。しかし、世界を見回すと愕然とします。人は争いの中にあり、競争社会に疲れ、家族崩壊、教育崩壊といった言葉すらあたりまえの事実として語られるようになりました。何が起きているのでしょうか。これまで長い間にわたって信じられてきたものが、根底から揺らいでいるのです。

こんなときにあって、人間を神聖な存在として見つめなおす本書は、言うなれば初心に返って人間を見つめなおす機会を与えてくれるものです。

<訳者はしがき>

私たちはいつの頃からか、神を怖れるようになってしまったようです。畏れ敬うという意味での畏れではなく、神を怖い存在として考えるようになってしまったようです。しかし、心静かに考えてみると、これは不思議なことです。私たちのこの精妙な生命のもとをたどってみようとすれば、生命の根源であり祖先である神に行き着くしかないのですから。

別な角度からみると、人間の心が神から離れてしまったのはごく当然であるかもしれません。この数千年の人間の歴史を見ると、神の名のもとにお互いを裁き、批判し、殺しあってきたのですから。そういう神と関わりを持ちたくないというのは当然です。怖れを抱くのもあたりまえのことです。

しかし、ちょっと立ち止まって考えてみる必要があります。そのような恐ろしい神というアイデアはどこから生まれたのでしょうか。すべて人間の心からです。人間の心を静かに見つめてみると、そこには怖れと愛という相容れない感情があることが感じられます。恐ろしい神というアイデアが恐れから来ていることは確実です。エゴから来ているといっても良いでしょう。

『神への近道』の中で、ジェリーは愛を呼び覚ます時がきたよと語りかけてくれます。私たちは実は愛そのものであるという事実に目覚めるときだと言います。心静かに、耳を澄まして、自分自身の中にみなぎる愛を感じるとき、それは私たちの父なる存在、母なる存在、創造主に発するものだということが分かります。

ギルガメシュ大王が森の神様を殺し、森林を破壊していわゆる文明を築き始めたのは7千年前です。それから、人間は文明という名のもとに、母なる大地を破壊しつづけ、“豊かさ”を追求してきました。その“豊かさ”は本質的に物質的な豊かさでした。心の問題も追及されなかったわけではありませんが、すべて、物質的な豊かさの追求という文脈の中で行われてきたと思うのです。そして、今、私たちは荒廃した自然と、荒廃した心という現実に直面しています。

目覚めるときですよと本書は語りかけます。自分の内なる愛に、その愛をもたらしてくれる存在に、気づく時ですよと語りかけます。でもどうすればそういう気持ちになれるのか、私たちは忘れてしまいました。競争社会の中で生き残るために必死に働く中で忘れてしまったのです。他人のことを考えるよりも、まず自分と家族が生きていけるようにと一生懸命です。神のことなど考える余裕もありません。でも、心が満たされないという現実があります。

そういう私たちに、「今日は一日、微笑を口に浮かべて過ごしてみよう」、「肉体以上の存在だと考えてみよう」、「今日は時間を忘れて過ごしてみよう」といった、具体的な方法を本書は提供してくれます。哲学的な思索をしろというのではなく、自然の中で少し時間を過ごしてみれば、忙しい日常生活の中で忘れてしまったものを思い出すことができますよと語りかけます。

現代の生活はいつのまにか順序が逆になってしまった感があります。効率性、生産性の追及に気を取られて、そもそもの出発点を忘れてしまったかのようです。私たちの根源である神と安らかな関係を築けば、すべてが自然に、やすやすと動き始めるよと、ジェリーは自分の体験に立って語りかけます。それは多くの苦しみを体験した上でのシェアリングであるがゆえに、強い説得力をもって心に迫ります。読者が優しく、心を開いて、本書のメッセージに耳を傾けられ、喜びと優しさに満ちた生活を楽しむことができることを祈っております。

最後に、このすばらしいメッセージを届けてくれたジェリー、翻訳のお手伝いをしてくださった矢鋪紀子さん、サンマーク出版編集部の武田伊智朗さん、パートナーのジャネット、そして、読者のあなた、ほんとうにありがとう。心から感謝します。

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