<その2>


<活動記録>つづき

今や絶滅危惧種とも言うべき在来の「カントウタンポポ」を発見、説明する団長。(薮に引っかけ合羽が破れても、その自然の営みを説明する姿は荒野に「野の花を見よ!」と伝導するキリストの如し)

いたるところに群生している「西洋タンポポ」にくらべ、ひっそりと一輪咲いていた。
繁殖率、綿毛となって飛ぶ種の量と距離は西洋タンポポの数分の一。
しかも、兄弟どうしの交配では繁殖しないという。
在来タンポポ(関東タンポポ)の繁殖運動を展開したいものだ!
これがいたるところに見かける「西洋タンポポ」
花弁が厚ぼったく数も多い。ガクが、外に広がっている。
今年の野原や道端には異常にこの西洋タンポポが発生している。

チョット偏見を持ちたくなるほどの群生である。
これが「カントウタンポポ」
ご覧のように、ガクが垂直。花も清楚である。
これは、フィールド観察の帰り道、道端に西洋タンポポと隣り合わせて咲いていた。
「負けるな一茶ここに在り」ではないが思わず応援したくなった。
雨のため、会場を移して観察スケッチの描写が始まる。
用意しておいた草花を真剣に写し取るP団員。かつてこんな真剣な顔をしたことがあっただろうか?
先ほどの棲息空間を重ねあわせ、ルーペで花の中を細かく見ていくと、「アッ、昆虫になったみたい!」とどこからともなく聞こえてくる。
雄しべ、雌しべは勿論、花の奥深く蜜が輝いて迫ってくる。
いよいよ色付け。
子どもの時以来とか、何十年(?)ぶりとかの方が殆どだが、鉛筆スケッチが終ると色付けが始まる。ところが写生ではなく”自然の色を写しとろう”としても12色の絵の具からはなかなか納得のいく色が出ない。
「葉っぱの色にすぐグリーンを使ってはだめです。この色とこの色とでこうして作っていきます」という細密画家の団長が、3色の絵の具をパレットに混ぜ合わせると・・・アラ不思議。
「これこれ、これヨッ!」と団員は驚くやら納得するやらであった。
これは木村団長のお手本??・・・否、否、否。
これは、久しぶりに絵を描いたと言う団員の作品。
絵画的には構図、色使い、タッチといずれも申し分なし。
これに負けず劣らずの作品がずらりと揃う。
二時間半があっという間に過ぎ、描き足りない方もあったが、皆上々の出来栄えばかり。

「・・・注意深く花の色や形を観察し、それをスケッチブックに描写し、色付けをしていくうちに、いつか夢中になり、描き終わるころにはとても素敵な妖しい花に見え、愛着さえわいてきました。とても不思議な体験でした。」とこの作者は語っています。
木村団長の動植物図鑑に描いた原画展「地球の仲間たち」の開催ホールに全員集合。
木村団長から、団員の作品一つ一つに講評をいただき、それぞれ作品とともに記念撮影。
原画の額にフラッシュが反射してしまって、顔の見えない方”失礼しました”。この場を借りてお詫びします。
報告書作成=
山麓探偵団事務局
(世話人 樋口裕峯)



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