山麓探偵団通信
編集・発行 = 「山麓探偵団」事務局 樋口 裕峯
【2001年】 【2002年】
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皆さんおげんきですか?この通信が届くころは、GWでお出かけかな?
山麓の自然を写しとる
「自然細密画の世界」にふれて
4月11日(木)・13日(土)は、「山麓の植物と風景を描く」というテーマで探偵団活動を行った。
今回は、可憐なスミレを全員が描くことにした。
ミニレクチャーでは、担当団長の木村修さんの作品や、スケッチブックを見せてもらい、全員うなってしまう。
描くということは観察することで、スミレが咲いている環境や周辺の様子、それに空気の湿り気など、総合的に感じとることが大切であることを教わった。
花には蜂などの昆虫が付き物ということで、それを描き足せばリアリティーが増してくる。でも、さて描こうとすると、蜂の頭・目・触覚・足などそれぞれの部分の形や向き、それに仕組みが全然具体的に出てこない。
「蜂は花粉をどこにつけて運ぶでしょう?」という木村団長の質問に????
さてフィールドに着くと参加者がおもむろにスミレの群落の周りに這いつくばって、虫眼鏡を取り出しオシベやメシベを観察し始める。
そして落ち葉の上の大地の温もり、土の香り、花びらの奥に光る蜜のかがやきなどを体感する。
ふと休憩して脇の小枝を見ると、コゲラ(小さな、キツツキの一種)が必死で巣づくりをしているのをC団員が発見。
日がな一日、大の大人が大勢で腹ばいになっている光景を、通りがかりの人たちはどう見ていたのだろう。
<大地の温もりを感じながら>
【チョット一言】
『山麓探偵団』の活動の中で「絵を描くの!」「絵は昔からニガテなのよ!」「絵は下手だから!」と案外誤解をしているのがこのテーマ。
山麓探偵団は、カルチャースクールやお絵描き教室ではありません。
自然と親しむ時、のんびり散策する時植物や動物の名前そしてそれぞれの生態など、ほんの少しのことを知るだけで、楽しさが倍増します。
このテーマは、客観的に対象を見る「写生」と違い、自然細密画の描き方の基本とその手法を体験することで、今まで何気なく見ていた目線や感触が大きく変り、対象物の認識や感動も新たになります。
細密画の手法で描くには、対象物をよく観察しなくてはなりません。
特に、虫眼鏡などを使って花粉の一粒一粒までじっと見てみる。タンポポの花びら一枚一枚をのぞいて見る。
実際はこんなところまでは描きませんが、頭の中には確実にその残像があります。
しかも、まるでチョウチョや昆虫になった気分です。
色付けも、自然界の微妙で多様な色彩は、通常の絵の具の色ではしっくりいきません。
「エッ、この色とこの色でこんな色になるの!」とか、「この色を足せば、ホラ、自然のやわらかい色がでるでしょう!」というように、色作りの基本を学んでみると、富士山麓は勿論、近くの野山への散策の折にスケッチブックを持参したくなります。
団員の方には、「苦痛なお絵かき」という先入観ではなく、是非ここのところを味わってもらいたいものです。
今回も、自然細密画家の木村修担当団長の「自然観察の独特の視点」をとおし、自然界でのあらゅる生き物の関わりと役割、そしてそれぞれが生きるための戦略などを知ることができました。
五月活動参加者募集
「まぼろしの滝に出逢えるか?」
テーマ:富士山の季節限定のメニューです。でも降雪が少なく、春が異常に早かった今年は果たして
この時期にだけ現れるという「まぼろしの滝」に出逢えるのでしょうか?乞うご期待!
担当団長:伊藤浩美さん
活動日:五月九日(木)・五月十一日(土)
集合時間:朝九時(朝食を済ませて)
集合場所:富士山ビジターセンタ駐車場
(不明な方は事務局にお問い合わせを)
参加費:2、500円(保険代含)
持物:お弁当、雨具、双眼鏡、筆記用具
服装:トレッキングシューズ又はそれに準ずる履物、軍手、帽子など
(当日は五合目付近に行きます。天候により寒い場合があるので、軽い防寒着を用意して下さい)
〆切:九日は七日、十一日は九日まで