山麓探偵団通信
編集・発行 = 「山麓探偵団」事務局 樋口 裕峯
九月十八日(木)と二十日(土)の両日、「富士山五合目の秋」と題して探偵団活動を計画しました。
十八日(木)は、おそい台風の影響で雨が止ます、やむなく中止となりました。
ところが、二十日(土)は、台風一過もあり晴天に恵まれ、絶好の富士山の秋を堪能できました。
朝八時からのミニレクチャーは、山麓探偵団富士桜本部の加藤信子さんに「観光と環境」についてお話ししていただきました。
加藤さんは、この春から夏の終わりまで富士山五合目(吉田登山口)の売店で働くかたわら、観光業者の実態や裏話、それに観光客の実情をつぶさに観察していました。
夏の最盛期の五合目付近の写真には、東京の渋谷や新宿のターミナル付近かと見まちがう程の混雑ぶりで、参加者もその実態に驚くばかりでした。
観光客のマーナーの悪さは、想像以上で、観光会社、観光業者、それに行政の問題など課題は尽きない話題性のあるテーマでした。
◇ 「団員レポート」 ◇
ミニレクチャーで 富士山を訪れる人々や富士山に携わる人々に困った方々がいることを聞かされ、「なんて常識が無い人が多いだろう!」と思ったと同時に“常識”とは一体何だろう?ということが頭をよぎりました。
「常識」(common sense) 「 1」ある社会で人々の間に広く承認され当然もっているはずの知識や判断力 「2」共通感覚に同じ と辞書にはあります。
富士山に足を向ける人々や携わる人々は少なくとも富士山に興味を持ち富士山のことを憎からず思っているという点においては「共通感覚」をもっているのだと思います。ただ「富士山というフィールド(社会)で人々の間に広く承認され当然もっているはずの知識や判断力」が不足しているがために困ったことが発生している・・・・
人々の間に広く承認されるということは即ち 多くの人々の納得感を得ることを必要とするでしょう。この納得感は「これはこういうことだったんだぁ!」と感動することから生まれることが多いと思います。
例えば、今回の団長の加藤さん、伊藤さんや今回 植物の分類の仕方等いろいろなことを教えて頂いた渡辺さんの様に、富士山の動植物等に詳しい方々は、当然私達の様な山麓探偵団初心者に比べ遥かに富士山の自然に対する常識を持っておられる。そのような方々の理解しやすい説明を聞かせて頂き、その方々の常識に触れることにより少しずつ感動を重ねて富士山に対する常識を深めていっていると実感しております。
おそらく 富士山に対して様々なことをご存知な方々にとっては 極 常識的なことがあまり知識を持たない者にとってみれば新鮮なものであることが多いと思います。新鮮なことに対する素直な感動がそれまでの常識を広く豊かなものに育てていくと思います。納得感を伴った常識の輪がチョットずつ広がることによって「困った方々」は減っていくのではないかと思います。
私達もいつの日か 富士山に対する豊かな常識を広めるほうになりたいと思っているのですが・・花より団子(甘いものもお酒も好きな甘辛両刀)で反省会?がメインになりがちなことを反省しつつ、次回からも なんとか一歩一歩「常識」を深めていきたいと思っています。
今後とも御指導 ご鞭撻の程 よろしくお願い申し上げます!!
それにしてもいいお天気でしたねぇ 青空に映える 富士山の山頂!たまりませんなぁ!!夕焼けに虹のおまけもついたし百点満点でしたね!
植物の分類 を葉とガクでするということ 初めて知りました。初めて漢和辞典を引ける様になった時の感動とちょっぴり似ています。(これで植物図鑑を調べる機会が増えるかも?!)【S・Tさん】
◇ ◇
6月以来の参加となりました。「あみん」さんの戸口を開けたて入った時、存じ上げない方が多くいらっしゃったので、ちょっと戸惑ってしまいました。
加藤さんのミニレクチャー、よかったと思います。富士山だけではないですが、日本のすばらしい自然資産をどのように活用し、あるいは保護するのかは、われわれ自身の問題であると同時に、やはり政治や行政の基本姿勢に問題があるように思います。すなわち、複雑に絡んだ利権の問題を、住民の意見を取り入れながら、強い行政の指導で解きほぐし、その上で自然資産の活用、保護を進めていくべきかと思います。
マイカーの富士山への夏季乗り入れ禁止については、リーズナブルな運賃でシャトルバスを運行すべきだと思います。また、トイレなども行政が方針を明確にし、業者を指導、支援すべきかと思います。ちなみに、スイスのツエルマットでは、車はすべて鉄道の一つ手前の駅までで、そこからは電車の乗り換えとなります。また、村の中は電気自動車だけです。ただし、登山電車やケーブルカーが張り巡らされているので、観光客は不便を感じないようです。
富士山の宝永火口へ行ったのは今回が初めてでした。火口のスケールの大きさに驚きました。黒々とした火口と、黄色く色づいたカラマツが対照的で、とてもすばらしい景色でした。また、今回も渡辺さんからいろいろな植物のお話しを聞かせていただき、たいへん勉強になりました。私のHPに報告しておきます。ありがとうございました。【Y・Kさん】www.asahi-net.or.jp/~qi6k-yskw
◇ ◇
今回は、天気は晴天。途中雲が出てどうかと思いましたが、新五合目の小屋で休んでいる間に雲が晴れ、美しい青空と山頂の小屋が見えました。
渡辺長敬さんに植物のこと溶岩弾のことなど教えてもらい、植物も各々に努力して種を残そうと智恵を働かせているのを知り、健気だなあと生命力のすごさに驚かされました。ミニレクの時の加藤信子さんからの富士山に来る人のマナーの悪さや、商業主義の非道さに憤りと日本人として恥ずかしく、何とかしなければ・・・と思いました。 【N・Tさん】
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