編集・発行 = 「山麓探偵団」事務局 樋口 裕峯
樹海の新緑を訪ねて
ミニレクチャーでは珍答に爆笑
五月十七日と十九日の探偵団は、樹海の新緑を訪ねた。
十七日(木)は、山梨放送(YBS)の取材があり、スタッフの方々も一日同行された。
まずミニレクでは伊藤浩美さんによる「鳥の聴きなし」について話してもらった。
『聴きなし』というのは、鳥の囀りを言葉に置き換えて、鳴き声から鳥の名を覚えていこうというもの。
例のホトトギスの鳴き方を「トッキョキョカキョク」とか「テッペンカケ(ハゲ)タカ」というあれです。
センダイムシクイは「焼酎一杯グウィー」と鳴く。
これらは定番で、一般によく知られているが、この日は今風の若い方(高校生)にはどのように聴こえるかということで、楽しいデータを伊藤さんが紹介し、そのあと参加者に新しい「聴きなし」を作ってもらった。
十七日の参加者は年齢的には中年系(?)のためか新しい聴きなしが出てこない。どうしても固定観念で、以前から刷り込まれたパターンから脱却できないでいる。そして、高校生の新作に感心したり驚いたりという反応・・・。ピッ・ピッとかピョッピョッとかの擬音への囚われが悲しい。
でも、十九日の参加者には二十代が多かったせいか自由な意見が飛び交った。
先ほどのセンダイムシクイには「給料安―い」とか、ヤマバトの鳴き声には「ほうとう・食べたか」と聴こえるのだそうだ。
編集者を含むオジサン軍団は「なるほど!」と絶句。
覚えるための手法としては面白いが、固結してしまった頭を揉み解すために色々なパターンを当てはめてみるのも楽しい。
「団員レポート」
〔S団員〕
野鳥のとびかうテラスでレクチャー、都会っ子の発想の豊かさには驚かされました。
久しぶりの樹海の散歩、普段あまり関心のない足元の小さな花、厳しい気象条件の中で一生懸命ふんばっている樹木の根、人間は自然の中の一員であることを忘れかけている自分に、久しぶりに自然との対話ができたことを感謝しています。
〔Y団員〕
伊藤さんの鳥の鳴き声の「聴きなし」の話を聞いて、同じ鳥の声でも人によって様々に聴こえるものだと感心しました。聴こえ方そのものというより、その鳴き方でどんな鳥であるかを連想できれば良いのでしょうが、どうしても鳥の名前と鳴き声はなかなか結びつきません。
フィールドへ出ても、やはり鳥の鳴き声では何の鳥かはさっぱり分かりませんでした。何度も聴き、教わるという過程が必要なようです。でも、今回は樹海の中の花を発見できたのでとても満足しています。いつかピンクのヤマシャクヤクを是非探してみたいと思いました。
樹海やブナの森に多くのキャンパーが入ってきたのには驚きました。富士山麓の林道などもほとんど閉鎖されているようで、だんだんと規制が強まるのでしょうか。一般の人が自然を楽しむことと自然を人間による破壊から守ることをどうやって折り合いをつけていくのか、難しい問題だと感じました。
<追伸>
翌日の二十日(日)大室山に挑戦しました。のぼりは比較的順調で、山頂には辿り着いたのですが、山頂付近は背丈ほどもある笹に覆われ、見晴らしどころか、道に迷いそうになってしまいました。
山頂は広い草原の窪地で、桃源郷のような世界があるのかと思っていったのですが、とんでもない世界でした。
〔K団員〕
「山麓探偵団」、響きが良いネ。何か人知れず使命を尽くしている秘密組織だぞ!・・・なんてね。
小林少年ならぬ樋口オッチャンが、毎回我々団員が悪の道に染まらぬ様に目を光らせ乍、甲斐々々しく世話を焼いてくれる。
今回は、お馴染み伊藤団長の前に団員が揃い「樹海をの〜んびり」のお楽しみという趣向。
で、例によってミニレクチュア。これがいつも良かったよね。
そうなんですよ、あたしゃね、登山から山歩きにスタイルを変えて以来、動物、山野草、樹木なんかの名前や習性、特徴を知っていると楽しみが倍増するだろうなあと思っていたんですよ。
そんで、本を買ったりしたんですが、ついそのまんまで、結局「あれなあに?」「これは?」と聞くばっか。それが、単に知識だけでなく体験からの話もあり、自然に身につくんだわ。
今回の話は、野鳥の「聞きなし」。ほら、テッペンカケタカとか鳴き声が何と聞こえるかって奴ですよ。
そうか、この方法で覚えれば野鳥の聞き分け方ができるんだと実感したね。昔の人はエレぇーもんだよ。
初夏の陽の光を樹々の間に感じ、ぶな林を渡る爽やかな風を肌に受けながら樹海の中の散歩。
ぶなの若芽を見つけたり、「落し文」を探したり・・・と、とても楽しかったことでした。
ホント、身体や心が目一杯に喜んでしまったね。
周りの自然の中にすっかり自分が溶け込んでしまったよ。
いやあ、今回も充分に楽しませて貰いました。
〔N団員〕
「あみん」での伊藤さんのお話は楽しく、「小鳥の声」は時間が過ぎるのを忘れるほどでした。
今回こそ「探偵団」にと思い、やっと来れました。
紅葉の秋の樹海も素晴らしかったのですが、新緑の樹海も色々な緑色の中に、風の音、鳥の声、その中でのお昼の暖かいみそ汁とコーヒーは最高でした。
樹海は二度目で、去年来た事を思い出し歩いていると、その時気づかなかったこと、また、今回も会えた倒れている大木、太陽の光が差し込んで新しい葉が輝いている木々、とても楽しい一日でした。
YBSの方が見えていらっしゃるので思いましたが、「一億人の富士山」に、大切な富士山を守って欲しいこと(そのマナーとか、してはいけないルール)も取り入れていただけたらと思いました。
山梨県民である私としては、自然にないものを形で残そうとする「観光・開発」は、古いし、自然を守りながらの観光にして欲しいと思います。
他県の方に「山梨」と聞かれると「富士山!」と答えるのに、それをもっと大切にしてほしいと思いました。
〔I団員〕
最高のお天気に恵まれた今回の探検ツアーでは、人生で初めての青木が原樹海へ入ることになりました。 若葉がキラキラと光の中でゆれている風景は、色々な噂話でつくられていた私の想像とは違い、清々しく爽やかなものでした、
どちらかといえば、前回の霧に包まれた森のほうがミステリアスなそのイメージに近かったように思いました。
でも、一人っきりだったり、暗くなったりしたら、全然別の顔をのぞかせるんだろうなぁとも思いますが・・・。
そして、今回も恒例!?の「穴」シリーズでは、天然クーラー状態の深くて奥行きのあるものや、おしりの穴も毛穴も引き締まるような大迫力のものまで、自然のパワーを感じる「穴」の数々に出会いました。
そして、不思議だったのは、樹海の中に突然すがたを現したブナ林です。まるでどこか海外の森に来たような、樹海とはひと味違った生命力を感じることができました。
寝転ぶととても気持ちがよくて、みんなして寝転ぶ姿もなかなか楽しく、癒しのパワーをたっぷりもらいました。
今回は樹海の木々、ブナの森、と違う表情の森に出会いましたが、どちらにしても力強さを感じました。
初めて見る植物もたくさんありました。刺激的だったのは、なんといても「トリカブト」でしょう。毒々しさのない姿がよけい恐ろしい・・。ただ、その後どれをみてもトリカブトに見えてしまうほど、どこにでもありそうな形なので、きっと一人じゃ探せません。
でも、変な考えはまったくありませんよ・・・ふふ。
最後に富士の現状を垣間見るような出来事がありました。
明らかにキャンプをしに樹海に入ろうとする「探検部」と称する大勢の大学生たち。ここでは焚き火やキャンプが禁止であることを知らないようだ。それを伊藤さんが指導をする。
自然と触れあうことはとても素晴らしいこと。だからこそ自然を傷つけないようにしなくてはならない。負担は最小限に抑えて最大限楽しむ。そして、自然のためのルールは守っていきたいです。
トピックス
シジュウカラの巣立ち
4月7日に店の壁に巣箱を設置。早速シジュウカラが入居しました。巣材を集め、前が見えないほどに犬の毛を咥えて産座作り、卵は九個・・。待つこと二週間。ホタルイカのような雛が次々とかえり、親鳥はセッセと
運び。それからまた二週間。昨日までやかましく警戒して鳴いていた親鳥の声が無い!
巣箱をそっと覗いてみた。嫁に出した親の心境がよく分かった。