山麓探偵団通信
編集・発行 = 「山麓探偵団」事務局 樋口 裕峯
【2001年】 【2002年】
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七・八月の活動報告
山中湖の希少植物を発見
七月十三日(土)・十八日(木)は、「山中湖の希少植物を知る」というテーマで探偵団活動を行った。担当団長は環境省自然公園指導員で、山梨植物研究会会員でもある渡辺長敬さん。
ミニレクチャーでは、これまで渡辺さんが収集された希少植物の標本を見せていただきながら、環境省が発行したレッドデータブックの意味合いと、絶滅危惧種の分類の根拠などをお話していただいた。
絶滅危惧種といえば、佐渡の朱鷺(トキ)を思い浮かべる。
今や、日本の純粋種は途絶え、中国から連れてきた数羽を加えて保護管理し飼育している。
実は、植物の場合も同様で、開発や環境変化により、すでに絶滅したもの、絶滅寸前のものが多種類あることを学んだ。
しかも、その中で富士山麓山中湖の湖畔周辺には、このレッドデータブックの上位にランクされている植物が数多く生息しており、これも開発や湖の水質汚染などで、今後どのようになっていくかの課題が多く存在している現実を、フィールド活動によって知ることができた。
また、富士山を真正面にした湖畔の広大な湿地には、現在山中湖村が、スポーツ公園(多目的交流プラザ)の建設計画を進めており、この場所から「タコノアシ」の大規模な群落や、モリアオガエルの産卵場所(ほとんどの自治体が天然記念物に指定している)の確認(卵塊とカエル)、山梨県で最初の確認報告となる「クロカワズスゲ」、天然ハーブであるハッカ、ヒメハッカ、それにつく昆虫のハッカハムシの幼虫など、希少で且つ貴重な植物を数多く発見した。
早速、村役場に報告し公式な調査を要請し、現在調査が進められている。
今後の調査結果と村当局の対応、住民の反応と関心などを注視していきたい。
モリアオガエル
< 大きなメスに乗っているオス >
いつもながら、渡辺さんの植物に対する知識と観察眼の鋭さ、それに環境に対する情熱には、とても足元にも及ばない。
その渡辺さんは、「絶滅には、自然界の環境変化、植生変化により絶滅していくもの、また、開発などにより減少・絶滅していくものがある。
開発などにより絶滅していくものについては、十分反省しなければならない点があります。
そして、単にそれらを移植保護するということにとどまらず、それらが生息している生息環境を、広域に考えることでなければ、本質的な解決にはならないのではないか?」と提言され、「これらと共に暮らしている、住民の意識が最も大切になる」と指摘された。
八月は、「夏休み自由研究」ということで、団員それぞれの活動報告をお待ちしています。
今年後半の活動予定
九月から十二月までの活動予定が決まりました、
*九月十九日(木)・二一日(土)
「山麓の水シリーズW―-湧水」
担当団長=伊藤浩美さん
*十月十七日(木)・十九日(土)
「富士山麓の秋の色づき―観察と描写」
担当団長=木村修さん
*十一月十四日(木)・十六日(土)
「晩秋の樹海」
担当団長=伊藤浩美さん
*十二月十二日(木)・十四日(土)
「山中湖周辺の峰から富士山を仰ぐ」
担当団長=
なお、来年(平成十五年)のメニューに、ご希望・ご要望コースがありましたら、事務局までお申出下さい。
九月活動参加者募集
「富士山麓の水シリーズW(湧水)」
テーマ:富士山に降った雨や雪は、伏流水となって数年あるいは数十年を経て山麓に湧き出してくる。酷暑の夏もようやく収束する頃、山麓の湧水を訪ねてみましょう。
担当団長:伊藤浩美さん
活動日:九月十九日(木)・二一日(土)
集合時間:朝九時(朝食を済ませて)
集合場所:森の喫茶室あみん
ミニレクチャー:「???????」
参加費:二五〇〇円(保険代含)
持物:お弁当、雨具、虫眼鏡等
服装:トレッキングシューズ又はそれに
順ずる履物、軍手、帽子など
〆切:十九日は十六日、二一日は十八日