山麓探偵団通信
編集・発行 = 「山麓探偵団」事務局 樋口 裕峯
【2001年】 【2002年】
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「山麓の秋の色づきを描く」
― 観察の視点と描写 ―
10月の探偵団活動は、毎年春と秋の恒例の企画、図鑑の絵を描いている自然細密画家の木村修さんに担当団長をお願いし、木の葉や木の実、それに富士山麓ならではの「フジアザミ」を描いてみました。
今までの活動を通して、細密画を描く為の手法、とりわけ対象物の観察の方法や、描く手順などを教わり、質感や光と影の描き方、それに自然界の多種多様な色合いを、限られた絵の具で作り出す、色作りの方法などを学んできました。
「絵はニガテ!」と最初から敬遠している方が多いのですが、山麓の自然再発見をテーマとしている探偵団は、お絵描き教室ではなく、描くためにしなければならない「観察する視点」を新に体験していただこうというのがねらいです。
イメージや感性で描く写生絵画と違い、「ありのままの姿を描き写す」ためには、相手(対象)を十分知ることが大切です。
そこを知ることによって、植物の成長の過程や、動物の骨格や運動の仕組み、また生命の営みの不思議などを理解することができます。
色作りも、葉っぱを描く時、いきなり緑を使わないことや、全体の中で薄い色から塗っていくなどの技法を通して、光と色の微妙な関係を知ることができます。
今までは「雨男」と言われていた木村修さんが、「改心しましたから!」と冗談を言うほど秋晴れの一日でした。
山中湖村三国峠のフィールドでフジアザミを描き終え、木村団長にそれぞれの作品を講評していただきました。
<コーヒーの香りの中で団長の好評>
ふと後ろを振り返ると、夕日の太陽が富士山の頂上にかかり、その背景の薄い雲に影富士が現れ、山中湖の湖面が穏やかに輝いていました。
【樋口裕峯】
【参加団員の感想】
2000年より、気になっていた『山麓探偵団』にやっと参加できていい時間を過ごすことが出来ました。ありがとうございました。
木村修団長さんのレクチャーの後、外に出ると自然の見方が「うん、違うぞ」ぐらいに変わりました。(透視までにはいきませんが…)「よく生きてたエライ、エライ」「どうしたの大丈夫?」なんて話しかけてる自分に気がつき、同じ世の中に生きているもの同士を実感!愛しさが増してきました。
自然描写の出来栄えはまだまだですが、じっくりと、生育過程を見つめながら描けたこと自体には満足。明神峠途中のあそこからの風景も大事にしたいですね。
それから、『あみん』さんのステキなテラスで、私の手のひらに、ヤマガラが餌をもとめて来てくれるなんて、夢のようでした。それぞれ、顔立ち、体型が違うのですね。
指につかまってくれた時の感覚が、目が合った時の表情が、さえずりが、一晩明けた今でも残っています。また、ゆっくりお邪魔させてください。
味噌汁、コーヒー、ケーキ、山麓探偵団のみなさま、あみんさんお心遣いありがとうございました。 【初参加のIさんからのEメール】
十一月活動参加者募集
「晩秋の樹海を歩く」
テーマ:四季を通して魅力あふれる樹海。
晩秋の樹海はどんな顔をしているのでしょう。
樹海の動植物の冬支度にも興味がわいてきます。
担当団長:伊藤 浩美 さん
活動日:10月14日(木)・16日(土)
集合時間:朝9時(朝食を済ませて)
集合場所:森の喫茶室あみん
ミニレクチャー:
「樹海の溶岩地形について」
参加費:2,500円(保険代含)
持物:お弁当、雨具、虫眼鏡、双眼鏡等
服装:トレッキングシューズ又はそれに
順ずる履物、軍手、帽子、セーターなどの防寒着を用意
〆切:14日は11日、16日は13日
十二月の活動予定
*12月12日(木)・14日(土)
「山中湖周辺の峰から富士山を仰ぐ」
担当団長=
なお、来年(平成15年)のメニューに、ご希望・ご要望コースなどがありましたら、どしどし事務局までお申出下さい。