山麓探偵団通信 
2002年11月号
編集・発行 = 「山麓探偵団」事務局 樋口 裕峯

【2001年】                     【2002年】
10 11 12 10 11 12 あみんへ戻る 山麓探偵団へ

十一月の活動報告

晩秋の樹海を訪ねて

― レーザー調査による樹海の溶岩台地 ―

十一月の探偵団活動は、五十回を迎えました。

今回は、久々に樹海を訪ねました。

担当団長は伊藤さん。

樹海の紅葉はもう盛りを過ぎ、枯葉状態でしたが、静かな森の中で、その落ち葉を踏む団員の足音が嬉しそうです。

樹海は何度も訪れていますが、今回は樹海で唯一、人が住んでいるという家の前を通り過ぎ、溶岩の噴出時にできた風穴群のある場所に分け入りました。

実は、フィールドに出る前のミニレクチャーでは、樹海の台地を形成している約一、一〇〇年前の姿を確認することができる話を聞きました。

それは、噴火の時に溶岩がどのように流れて行ったかが一目で分かる「レーザー調査地図」が発表されたからです。

昨年の一二月の活動「もう一つのパノラマ台」で、樹海の全容を展望台から見下ろしましたが、その樹海から樹木を取り除き丸裸にした、まるで一、一〇〇年前にさかのぼり、空中からそれを眺めるような感じの地図です。

大室山をはじめ、寄生火山の火口がはっきりと表れ、火口列が銃弾爆撃の跡のように一直線に並んでいます。

長尾山の噴火による溶岩が樹海を造ったことになっていますが、長尾山の噴火と相前後して噴火した周辺の火口群からの溶岩の様子も、無数の波を形成して扇のように広がり「背の海」に流れ込んで精進湖・本栖湖を分断しているのがはっきり確認できます。

これらを頭の中に焼き付けてフィールドの樹海に入ってみると、風穴群のある場所はまさに火口の中です。

事実、その淵の高台に上がると、60mくらいの高さになる断崖を見下ろす光景です。

風穴の中にも入ってみました。そこには、数種類のコウモリが迷惑そうに薄目を開けていました。

ゴメンナサイ!     〔樋口〕


十二月の活動案内と参加者募集

山麓の自然散策と内なる声に!

テーマ学び、発見、喜びをテーマにしてきた外への感度を、今回は、逆転してみましょう。

例えば、富士山を眺めながら、風の音を聞きながら、ふと木に寄りかかり、或いは、ジッと土手に座って・・・内なる対話をしてみましょう。

担当団長戸高 雅史さん(登山家)

〔戸高さんのプロフィール〕

一九六一年、大分県生まれ。

一九九六年、K2に世界初単独無酸素登頂。

一九九七年、チョモランマ(ヒマラヤ)北西壁(8,848m)単独挑戦。

〔一九九五年ブロードピーク北壁。背後はK2〕

「・・・・『生きるべき世界はあの麓にある』一瞬の閃光のように、私を貫いた想い。生命のつながりの世界にこそ、私の生きる場所があると知った瞬間だった。・・・略・・

 頂に向かい合った三日間。山には柔らかな波動が満ちていた。まるで山の胎内に深く抱かれているようだった。・・略

幾カ所かめぐるうち、富士山をおいて他にないと感じるようになった。十年前のナンガパルバット登頂以来、何かを求めるかのようにひたすら通った山。気がつくと、そこにふれることが心の底からの喜びとなった。今、この山の麓で暮らそう。

山にふれ・・・、土地にふれ・・・、人にふれて。」

〔岳人二〇〇一年二月号より抜粋〕

     戸高さんご一家は、昨年秋から山中湖の住民となりました。

冬山のガイドや野外学校を主宰してお忙しい中、今回の担当団長を快く引き受けていただきました。

コースも、一日の過ごし方も全て戸高さんにお任せしました。

ミニレクチャー

自然に抱かれて内なる対話

活動日:十二月十二日(木)・十四日(土)

集合時間:朝九時(朝食を済ませて)

集合場所:森の喫茶室あみん

参加費:二五〇〇円(保険代含)

持物:お弁当、雨具、虫眼鏡、双眼鏡等

服装:トレッキングシューズ又はそれに

順ずる履物、軍手、帽子、セーターなどの防寒着を用意

〆切:十二日は十日

なお、来年(平成十五年)のメニューに、ご希望・ご要望コースなどがありましたら、どしどし事務局までお申出下さい。